現地源泉税還付とはなんでしょうか
ざっくり言うと
- 海外で稼いだお金から税金が引かれすぎた場合に、そのお金を取り戻せます。
- 日本と海外の間で二重に税金がかからないようにするための仕組みです。
- 海外の株の配当金など、特定の状況で利用できます。
ちょっと詳しくお話します
「現地源泉税還付」と聞くと、少し専門的な言葉に聞こえるかもしれませんね。
しかし、これは海外での金融取引において、「損をしないように」、あるいは「少しお得になる」ための大切な仕組みなのです。
✨ そもそも「源泉税」とは?
まずは、「源泉税」という言葉からご説明しましょう。
皆さんがアルバイトをしてお給料をもらう時や、銀行にお金を預けて利息を受け取る時、その金額から「税金」が差し引かれていることがあります。会社が従業員に給与を支払う際も、会社が先に税金を差し引いてから給与を渡します。
このように、収入を得る際に**「あらかじめ差し引かれる税金」**のことを「源泉税」と呼びます。
🌎 なぜ海外で「源泉税」が引かれることがあるの?
では、海外で「源泉税」が引かれるとは、どのような状況を指すのでしょうか。
例えば、日本にお住まいのAさんが、アメリカの企業が発行している株式を購入したとします。
この株式を保有していると、企業から「配当金」を受け取れることがあります。
この配当金がアメリカからAさんのもとへ送金される際、アメリカの税法に基づいて「これはアメリカ国内で発生した所得なので、アメリカの税金を先に徴収します」として、税金が差し引かれることがあるのです。
日本にお住まいのAさんにとっては、アメリカで税金が引かれた上に、さらに日本でも税金がかかるとなると、「二重に税金を支払うことになるの?」と疑問に感じるかもしれません。
💰 「現地源泉税還付」は二重課税を防ぐための仕組み
このような状況で活用されるのが、「現地源泉税還付」です。
日本と世界各国の間では、「自国の居住者が他国で所得を得た際に、二重に税金を支払うことがないようにしよう」という国際的な約束(これを「租税条約」と呼びます)を結んでいます。
この租税条約があるおかげで、先ほどのアメリカの例では、
- アメリカで徴収された税金の一部が、「本来はこれ以上引く必要がなかったですね。お返しします」として還付されること。
- あるいは、そもそも最初から税金が引かれないように手続きをすること。
が可能になる場合があります。これが「現地源泉税還付」の基本的な考え方です。
つまり、簡単に申し上げると、
「日本にお住まいの方が、海外で得た所得から海外の税金が差し引かれた際、過剰に徴収された税金や、本来は課税されないはずの税金を取り戻す手続き」
ということになります。
まとめ:「現地源泉税還付」は国際的な二重課税を防ぐ重要な制度
「現地源泉税還付」は、国際的な取引において、同一の所得に対して日本と海外の両方で税金が二重に課されることを防ぎ、皆さんの経済的な負担を軽減するための、非常に重要な制度です。
もし将来、海外との間で金銭のやり取りが生じた際に、「もしかしたら、この税金は還付される可能性があるかもしれない」と思い出していただければ幸いです。
一見すると難しそうに見えるかもしれませんが、これは私たちの経済活動を円滑に進めるための、非常に有効な仕組みなのです。
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